CLINIC BLOG
〜歯科とパニック障害〜
こんにちは🌞
北24条かやの歯科クリニックのどいです。
9月も中旬を過ぎ、朝晩はかなり寒くなりましたね。
一方で昼間はまだまだ暑い日もあったりで寒暖差が激しいですね💦
皆様、体調管理には十分お気をつけ下さい🙇
さて、今回は「歯科とパニック障害」についてお話させて頂きます💁
最近は歯科恐怖症と並びパニック障害の患者様も増えております。
パニック障害という言葉も最近では一般的に知られる症状となってきたように、元気で明るく、健康的な人でもある日突然、発症してしまうことがある病気で、歯科治療も非常に困難となる心の病です😰
まずはパニック障害とはどんな病気なのかをお伝えさせて頂きます。
【パニック障害とは?🤔】
パニック障害は、突然、なんのきっかけもなく動悸、呼吸困難、吐き気などのパニック発作が起こり、これが何度も繰り返される病気で、 100人に1人が罹患するとされる頻度の多い病気です😱
「パニック発作」と呼ばれる、いわゆる自律神経の発作(めまい(目眩)、動悸、呼吸困難など)が引き起こされます。
パニック障害は、「不安障害(不安症)」に属する疾患であり、「不安」が根本にある疾患(神経症)です。
一度、パニック発作を起こした人は、それが「心的外傷(トラウマ)」となり、同じような状況を避けるようになります。
歯医者さんでの治療は、診療台の上で大きく口を開けたままで、身動きが制限されると感じている方が多く、パニック障害をお持ちの方は、「私は歯医者さんでは治療を受けることができない」と思いこまれていたり、また実際に勇気を振り絞って受診した際に、やっぱりパニック発作が起こってしまったなどの経験が生まれると、どんどん歯科治療から足が遠のいてしまい、むし歯・歯周病などの症状が進行しつづけてしまうことがあります😭
パニック障害は、早期に適切な治療をすれば、病気から回復し、以前のような日常 生活を取り戻せます👌
まずは、医師に相談することが大切です❗
【パニック障害の症状とは?🤔】
パニック障害には「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」の3つの症状があります。
その症状はたいへん強烈で、想像を絶するほどだといいます。中には「このまま死んでしまうのかもしれない」と感じる人もいるほどです。
このような体験をすると、「またあんなふうになったらどうしよう」と、あまりの恐ろしさから外出が困難になったり、症状が起きた場所へ行くことができないなど、似たような状況が生じることを恐れるようになります。
もし、パニック障害の症状を歯医者さんで起こしてしまった経験があるとすれば、「歯科治療が怖い」ということに加えて、「歯医者へ行ったらまた死ぬほど怖い思いをするかもしれない」ということも原因となってきます。
(1)パニック発作
パニック発作はパニック障害の中心とナル症状で、強烈な不安や恐怖感を伴います。パニック発作は、電車に乗っている時や会議の途中、緊張感がとけてホッとした時などに、特に誘因なく急に動悸、発汗、呼吸困難、ふらつき、吐き気、冷感などの身体症状が出現し、それを何回も繰り返します。
発作は、多くの場合、5〜20分ぐらいでおさまり、身体的な検査では異常は見つかりません。発作の形は多様ですが、個人でみると一定の形をとることが多いようです。以前は、「心臓神経症」などと呼ばれていました。
(2)予期不安
予期不安とは、パニック発作を繰り返しているうちに、患者さんに「また、あの不安が襲ってくるかもしれない」という漠然とした不安が常につきまとうようになることです。パニック発作が改善しても、予期不安が残ることもあります。
(3)広場恐怖
広場恐怖とは繰り返しパニック発作を起こした患者さんが、以前に発作を起こした場所や、発作が起きた時にすぐに助けを得られないような場所を恐れることです。その結果、患者さんはこれらの場所や状況を避けるようになり、一人で外出できなくなったりするために、社会生活に支障が生じます😢
【パニック障害を放置すると?🤔】
突然のパニック発作の襲来により、まず病院で検査を受けますが、多くの場合、異常なしと言われ帰宅します。しかし、その後もパニック発作が繰り返し起こり、そのたびに検査を受けても異常は認められず、本人は発作に抵抗できないという無力感を抱くようになります。その結果、予期不安の増強と広場恐怖の出現が見られ、うつ状態に発展し、自宅に引き籠るようになり、社会生活に支障を来たすようになります。
【パニック障害の治療法は?🤔】
現在、パニック障害には「薬物療法」「認知行動療法」の2つの治療法があります。
《薬物療法》
パニック障害は治療しないと徐々に悪化していきます。そのめに、後述する薬物💊を使用して、完全にパニック発作をコントロールします。はじめてパニック発作が起こってから2〜3ヵ月以内で、予期不安や広場恐怖がまだ強くなっていない時期にきちんと治療することが重要です。パニック発作の制御には薬物は極めて効果的です。使用する薬物は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI,SNRI)を中心とする抗うつ薬とベンゾジアゼピン系(BZD)抗不安薬です。
《認知行動療法》
薬物療法が第一選択ですが、それと組み合わせて認知行動療法を行うこともあります。患者さんが避けている状況に少しずつ挑戦してもらう療法で、エキスポージャーと言います。
【パニック障害の患者様の歯科治療🧑🏻⚕️】
まず、患者様への問診や主治医の先生への対診を通し、合併する疾患、服薬状況などを確認します。
そのような患者様は、アドレナリン感受性が高まっていることが多いため、局所麻酔薬のアドレナリンの濃度を希釈して使用したほうがよいことが多くあります。
麻酔管理に関しては、以下の選択肢があります。
①静脈内鎮静法(時に深鎮静)💉
症状の重い方の場合は、すべての治療は鎮静下に行います。静脈確保時にパニックを起こす方がいますので、患者様が発作を起こしにくい状況下で静脈確保を行います。椅子に座ることが難しい場合などは立位で静脈確保を行い鎮静して、緊張が薄らいできてから治療台に誘導したりいろいろ配慮が必要です。
治療が終わり覚醒時には、フルマゼニルなどの鎮静薬の拮抗剤は極力使用しないようにします。急激な覚醒はパニックを誘発します。
②笑気吸入鎮静法
笑気はマスクを装着するため逆にパニックを誘発、不快感を訴えることがあるので、マスクが難しい方は鎮静もしくは通法で行います。
③通法
軽症の方の場合、治療時に絶対に痛みを感じさせないように局所麻酔をしっかり行います。治療は手際よく手早く行えば大半の方は歯科治療を受け入れていただけます。
時々、局所麻酔が効きにくいという患者様がいますが、通常、炎症のある部位を除いてはそのようなことはないとされています。
そのような場合は、局所麻酔の手技に問題があるか、不安や恐怖心で脳内の痛みを認識する刺激に対する閾値が著しく低くなってしまっていることがほとんどです。
”多くのパニック障害の患者様の聞き取りで、歯科医師が局所麻酔が効いていない状態で治療を行い、その時の痛みの経験が心的な外傷になり歯科治療ができなくなってしまったという症例が多く見られます。”
以上、いかがでしたでしょうか?🤔
歯科と痛みは付いて回るくらい当たり前のようになっています。
もちろん治療をする歯科医師や歯科衛生士は極力患者様の負担を減らすべく、痛くない治療を心がけますが、どうしても頭に近い部位のため痛みに敏感になりやすくなります。
当然、治療や痛みに恐怖感やトラウマを抱えている患者様も多くいらっしゃいます。
そういった背景をお持ちの患者様は治療前の問診の際に歯科医師へ相談されることをお勧め致します🙆
では、今回はこの辺で〜👋
また次回、元気にお会いしましょう❗
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