CLINIC BLOG
歯についての一般知識~8020(ハチマルニイマル)運動とは?~
こんにちは😃✨
札幌 北24条かやの歯科クリニックのどいです。
いよいよGWも終わりますね。
皆さまは何処かに出掛けられたでしょうか?
3年ぶりの制限のないGWとあってか、各地でかなり賑わいを取り戻したみたいですね🙌
私はずっと引きこもりww生活をしておりました💦
ではでは本題に入りまして、
今回は前回の「歯の寿命について」の続編で「8020運動」について書かせて頂きます。
まずは…、
【🦷8020(ハチマルニイマル)運動とは?】
いつまでもおいしいものを食べ続けるための元気な歯は、日々の手入れから。
1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。楽しく充実した食生活を送り続けるためには、妊産婦を含めて生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージで健康な歯を保つことが大切です。
〈日本歯科医師会HPより抜粋〉
〈参考〉厚生省「成人歯科保健対策検討会中間報告」1989年(平成元年)―抜粋―
「残存歯数が約20本あれば食品の咀嚼が容易であるとされており、例えば日本人の平均寿命である80歳で20本の歯を残すという、いわゆる8020運動を目標の1つとして設定するのが適切ではないかと考えられる。」
《なぜ80歳なのか?🤔》
「80」は、提唱当時の日本人の平均寿命(平成元年簡易生命表)が男性75.9歳・女性81.8歳でしたので、男女合わせた平均寿命に相当します。
《なぜ20本なのか?🤔》
「20」は「自分の歯で食べられる」ために必要な歯の数を意味します。今までに行われた歯の本数と食品を噛む(咀嚼)能力に関する調査によれば、だいたい20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でもほぼ満足に噛めることが科学的に明らかになっています。*図1はその代表的な調査結果で、どの性・年齢層でも自分の歯が20本以上残っている人の咀嚼状況は良好であることがわかります。
《参考までに…前回ブログより》
「歯の本数」と「食べられるもの」の関係
▶︎18〜28歯:たくあん、フランスパン、スルメイカ、酢だこ
▶︎17〜6歯:きんぴらごぼう、れんこん、かまぼこ、おこわ等
▶︎5〜0歯:バナナ、うどん等
*図1〈厚生労働省.平成25年国民健康・栄養調査報告.〉
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h25-houkoku.html
【🦷8020運動の実態】
8020達成率は、運動開始当初は7%程度(平均残存歯数4~5本)でしたが、厚生労働省の調査(2005年(平成17年)歯科疾患実態調査)では、80歳~84歳の8020達成率は21.1%で、85歳以上だと8.3%にまで伸びました。また、厚生労働省の「健康日本21」では中間目標として8020達成率20%を掲げましたが、2007年(平成19年)に出された中間報告では、それを上回る25%を達成しました。(健康日本21中間報告)
その後、2017年6月に厚生労働省が発表した歯科疾患実態調査(2016年調査)では、達成者が51.2%*図17となりました。
*図17〈平成28年歯科疾患実態調査より〉
【🦷8020健康長寿社会の実現に向けて】
歯を失う原因で最も多いのが歯周病です😥生活習慣病と言われるこの病気は、初期を含めると成人の80%以上がかかっています(厚生労働省平成17年歯科疾患実態調査)。日頃の仕事の忙しさに任せて、“暴飲暴食”や“不規則な生活”など、日常の生活習慣の乱れが歯周病につながりますので、毎日のチェックが重要です。個々の自覚が大事で、予防はやる気から始まります。歯磨きなど毎日の手入れと併せて、口の中の衛生指導などを行っている歯科医院に定期的に通う習慣をつけてみるのも大事です👍
そして、「食べた後や寝る前に磨く」といった基本的なことも忘れてはいけませんが、例えば、歯磨きなどの正しい方法や、歯磨きなどと併用すると良いオーラルリンス等の使い方など、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士に相談してみるのもよいかと思います。
現在、日本歯科医師会は、8020運動の次なるステップとして、「8020健康長寿社会」の実現を目指しています。それは、歯周病等の重症化を防ぎ、8020達成者を増やし、健康長寿社会を目指すということです。
8020達成者は非達成者よりも生活の質(QOL)を良好に保ち、社会活動意欲があるとの調査結果や、残っている歯の本数が多いほど寿命が長いという調査結果もあります😄
【🦷8020を達成できなくても…】
仮に8020を達成できなかった方も、しっかりと噛み合い、きちんと噛むことができる義歯(入れ歯)などを入れて口の中の状態を良好に保つことで、20本あるのと同程度の効果が得られます😯義歯を含めた歯で食べ物をしっかり噛むことができれば全身の栄養状態も良好になりますし、よく噛むことで脳が活性化され、認知症のリスクが軽減するという調査結果も出ています。いつまでもおいしく食べ続け、健康寿命を延ばすためにも定期的にかかりつけの歯科医院に行き、口の中の健康を保ちましょう。
《地域歯科保健活動》
地域の歯科医師会では、8020運動の一環として、歯科衛生士、保健師等と協力して行政と次のような活動などをしています。
- 1歳6カ月児・3歳児歯科健診、予防活動
- 保育園、幼稚園、学校での歯科健診
- 職場、地域での歯科健診
- 休日救急歯科診療
- 心身障がい者歯科保健活動
- 在宅寝たきり高齢者訪問歯科保健活動
- 歯科保健教育、相談事業
《かかりつけ歯科医》
歯科医療は「食べる」「会話する」という日常の生活を送るうえで欠かせない営みを守る「生きる力を支える生活の医療」です。気軽に相談に乗ってくれたり、指導をしてくれる「かかりつけ歯科医」を持ち、定期的に歯の健診を受け、歯を失う原因となるむし歯や歯周病を早期に発見し、早期に治療を受けるように心がけましょう。
以上、いかがでしたでしょうか?
8020達成のためにはまずきちんと歯を磨くことが最重要です!
「磨いている」ことと「磨けている」こととは違います。
歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目など汚れの残りやすい場所がありますので、歯間ブラシやデンタルフロス等の歯間清掃具を使ってきちんと汚れを落とすことが大事です。
正しい歯の磨き方と歯間清掃具の使い方をかかりつけの歯科医院で教わるとよいでしょう。
自分の健康、自分の歯は、自分で守るよう心がけましょう。
ではでは今回はこのへんで〜👋
また次回、元気にお会いしましょう🙇♂️
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