CLINIC BLOG

お口の基礎知識~歯みがき剤のフッ素について~


こんにちは🌞
札幌 北24条かやの歯科クリニックのどいです。

まだまだ寒い日々が続きますね。
それでも今年は去年の半分の積雪と少ない印象です⛄
3年ぶりの会場開催となったさっぽろ雪まつりも観光需要回復でコロナ前までとはいかずも大盛況のうちに終わったみたいですね🎉🥳
皆さん、見に行かれた方も多いでしょうか❓
(私は結局行けず終いでした💦)

さて今回は、前日のブログ「歯みがき剤(歯磨き粉)の選び方について」の続きで歯みがき剤のフッ素についてお伝えしたいと思います。

1.フッ化物(フッ素)とは?

フッ素(fluorine、元素記号F)はハロゲン族の非金属で生体必須微量元素です。フッ素は人体にも多く含まれており、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄に次いで多く含有されています。
フッ素は自然界には単体で存在せず、フッ化物と呼ばれる化合物として存在しています。
もともと自然界ではあらゆるところに存在するものです。
例えば、海水中には約1.3ppm含まれています。
海中に住む魚介類や海草には2〜10ppmのフッ素が含まれています。
また乾燥したお茶の葉もフッ素を含みます。
ですので通常の使用では有害性はありません。
フッ素には、歯の表面のエナメル質の修復を促進する作用がある他、歯質を強化し、虫歯菌の働きを弱めるなど、むし歯の発生を防ぐ効果があります。そのためフッ素は歯磨き剤や洗口液などの薬効成分として虫歯予防に広く使われています。

※フッ素とフッ化物の違い

以前は「フッ素(fluorine)」で全てフッ素と言われていたのですが、現在では、国際純正・応用化学連盟(IUPAC)の勧告によって「フッ素」は元素名であり、水や食品中の無機のフッ素は「フッ化物(fluoride)」ということにしています。ですので、歯みがき剤に含まれているフッ素は全てフッ化物(モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)・フッ化ナトリウム・フッ化第一スズ)ということになります。

2.フッ化物はどう働くのか?

3つの働きで、ムシ歯の発生と進行を防ぎます。

●🦷エナメル質の修復を促進

酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補うこと(再石灰化)を促進します。
フッ化物は唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンとともに歯に再沈着し、脱灰部分の再石灰化を促進します。

●🦷歯の質を強化

歯の表面を覆うエナメル質を、酸に溶けにくい性質に変え、ムシ歯への抵抗力を高めます。
エナメル質は分子レベルではカルシウム、リン酸、水酸基から構成されているハイドロキシアパタイトでできています。
歯の表面を覆う成分(エナメル質)はリン酸カルシウムでハイドロキシアパタイトといわれる結晶を作っています。この結晶は酸に弱く壊れやすいのですが、ここにフッ化物がやってくると、フルオロアパタイトになります。このフルオロアパタイトは酸に対して安定した結晶です。そのため、エナメル質が強くなり、むし歯になりにくくなるのです。

●🦠菌の働きを弱める

ムシ歯を引き起こす細菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。
フッ素イオンには細菌の活動を抑制する作用があります。そのため、お口の中にフッ素が存在すると細菌が酸を産生するのを減少させます。このこともむし歯予防に役立ちます。

3.フッ素の効果

①虫歯菌のはたらきを抑制:虫歯菌の酵素(エノラ-ゼ、フォスフォグリセロムタ-ゼ)のはたらきを抑制して、歯を溶かす酸を作らないようにする。
また、虫歯菌の栄養となる糖の取り込みを阻害して、菌が歯にくっつき易くするための”ネバネバ”な物質(バイオフィルム)を作るのを抑える。

②酸に負けないために歯質強化

・耐酸性の向上:歯の表面を構成するハイドロキシアパタイトから歯を溶かす酸に強いフルオロアパタイトを作りエナメル質をかたく丈夫にする。

・齲蝕(虫歯)抵抗性:歯のエナメル質結晶の弱い箇所を修復し、より強固な結晶を作る。

・再石灰化:フッ素は唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンと共に虫歯菌の出す酸で溶けかかった歯(脱灰)の表面に沈着します。

それによって歯の表面を表面を修復します。

4.フッ素配合歯みがき剤の注意点

フッ素配合歯みがき剤を使う時は、次のことに注意しましょう。

●効果的に使うための量

年齢によってフッ素配合ハミガキ剤の使用量の目安は異なります。

《ハミガキ剤の使用量の目安》

●歯磨き後のすすぎ

10〜15mlの水を口に含み、1回程度すすぐことがおすすめです。口の中により多くのフッ素が残り、むし歯の予防に効果的に働きます。

●ハミガキ剤は飲み込まない

多くの実験によってフッ素の安全性は確認されていますが、ハミガキ剤は食品ではないので飲み込まないようにしましょう。子どもの場合は、ひとりですすぎができるようになってから使用しましょう。

5.フッ素の濃度について

現在日本で販売されているフッ素配合歯磨き粉のうち、最も高濃度なものが1450ppm配合の商品。日本では1500ppmを超える商品は販売できないので、その数値を超えないよう設定されています。
フッ素濃度が1000ppm以上の場合、500ppm濃度が高くなる毎に6%むし歯の予防効果が上昇すると言われており*、フッ素の効果はその濃度に比例するので、できるだけ高濃度な歯磨き粉を選ぶのがおすすめです。
《*出典:Fluorides and Oral Health”. WHO Expert Committee on oral health status and fluoride use. WHO Technical Report Series No.846, Geneva, 1994, p.26-33.》
尚、1000ppm以上のフッ素が含まれる歯みがき剤は6歳未満のお子様にはフッ素症のリスクがあるため使用できません。

以上、いかがでしたでしょうか?

「フッ化物配合歯みがき剤のシェア」は、1985年の約12%から2020年の92%へ上昇しております。
特に子供における虫歯予防に大きく寄与していますが、もちろん大人の虫歯にも予防効果がありますので、是非フッ素配合歯みがき剤を選んでみましょう。今回はフッ素配合歯みがき剤の虫歯予防メカニズムとその効果を中心に書かせて頂きました。どんな歯みがき剤を選んだらいいの?と迷われている方は一度担当の歯科医師・歯科衛生士にご相談下さい。患者様のお口の状態にあった歯みがき剤を提案させて頂きます。

では、今回はこのへんで~👋

寒い日々が続きますが、皆さまご自愛下さいませ🙇‍♂️

ではまた元気にお会いしましょう。

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