CLINIC BLOG

口腔顔面領域の歯科医学〜良性腫瘍と悪性腫瘍の治療法について〜


こんにちは🌞
札幌 北24条かやの歯科クリニックのどいです。

暑い日々が続いていますねー💧
連日30℃超えで身体に堪えます🥵
最近は晴れかと思ったら突然夕立が来たりと本州並の蒸し暑さで体調崩しがちになりますよね。
私は北海道に来て約20年が経ちますが、年々暑くなっているような気がします🤔

では本題に入りまして、今回は「良性腫瘍と悪性腫瘍の治療法に」について書かせて頂きます。

【良性腫瘍の治療法】

良性腫瘍の場合、基本的な治療はできものだけを摘出する手術になります。 できものの種類や大きさによって、局所麻酔で出来るものから全身麻酔を要するものまで変わってきます。

口腔顔面領域では、大きな腫瘍の場合は顎骨を切除したり、開窓療法(かいそうりょうほう)によって腫瘍の縮小をはかった後に摘出します。大きい腫瘍では摘出後の骨欠損部に骨移植を必要とすることもあります。

【悪性腫瘍の治療法】

《がん治療法の分類》
がん治療は大きく「手術療法」「化学療法(抗がん剤治療)」「放射線療法」の3つに分けられます。近年、これらの3大治療に加え「がん免疫療法」が第4の治療として注目されています。また最近の医学の分野の中には、がんと診断された早期から、精神的な苦痛も含めて、受容・判断・治療・療養・回復・回復後の日常生活に至るあらゆる過程の中で生じる自覚的・無自覚的な苦痛、およびその影響のよる損失や不利益に対して、総合的な「緩和ケア」が確立され、さらに発展しています。

それらを含めると、現在のがん治療は、「手術療法」「化学療法(抗がん剤治療)」「放射線療法」「免疫療法」そして「緩和ケア」の5本柱があるということになります。

①手術療法

手術療法は、メスでがん組織を切り取ってしまう治療法です。通常はがんの病巣だけを切りとるのではなく、目に見えないがん細胞が移っている(転移といいます)かもしれない周りの正常組織も含めて切除します。

手術療法のメリットは、完全に切除できれば体内からがんを消すことができますので、最も直接的かつ根治の可能性が高いことです。

一方で、手術療法のデメリットは、体にメスを入れるため傷や体力の回復にある程度の時間かかることや、切除する部位によっては臓器や体の機能が失われることがある点です。このようなデメリットを軽減するために、最近は小さな早期がんを内視鏡*(胃カメラなど)を用いて切除したり、鏡視下手術*(胸腔鏡や腹腔鏡)というカメラを使った手術が行われ、患者さんの体への負担を軽くしながらかつ、がんを治す取り組みが進んでいます。このように、がんが発生した場所に留まっている限り、手術療法は最も根治が期待できる治療法です。

内視鏡*や鏡視下手術*は医科領域のみで行われております。

②がん化学療法

がんの化学療法とは、化学療法剤(抗がん剤、化学物質)💊を使ってがん細胞の増殖を抑えたり、破壊したりする事による治療法で、薬物療法とも呼ばれます。化学療法剤は、投与💉されると血液中に入り全身を駆け回り、体中のがん細胞を攻撃・破壊します。このように体のどこにがん細胞があってもそれを破壊するという、前進的な効果があります。がんは一般に、早期は体の臓器のある部位に限定して発生し増殖しますが、進行すると全身に広がって(転移と呼ばれます)、全身的な病期になります。がん治療の中でも、外科療法と放射線療法は局所的ながんの治療には強力な方法ではありますが、白血病に代表されるような診断時から病変が全身に及んでいる場合や、すでに広汎な転移を来してしまった状態では、放射線療法を全身に行うことは副作用が強すぎて不可能ですし、手術ですべてのがん細胞を取り除くことはできません。全身に広がったがん細胞を治療するという点では、化学療法は全身をくまなく治療できることから、より効果的な治療法といえます。

最近は、がん細胞を破壊する作用が異なるいろいろな化学療法剤が開発されてきております。これらの化学療法剤のいくつかを効果的に組み合わせて治療する(多剤併用療法といいます)ことで、手術が不可能な進行がんも治療できるようになりましたし、場合によっては化学療法後に手術療法などの局所療法を行うことも可能になってきております。

③放射線療法

放射線治療とは、エックス線、電子線、ガンマ線などの放射線を用いて、がんを安全かつ効果的に治療する方法です。放射線は、がん細胞内の遺伝子(DNA)🧬にダメージを与え、がん細胞を壊します。放射線によって、正常細胞も同様にダメージを受けますが、がん細胞とは異なり自分自身で修復することができます。放射線治療によって、がんを治したり、がんの増大による痛みなどの症状を緩和したりします。 

病気の状態に合わせて、放射線治療のみで治療を行うこともありますが、他の治療方法と組み合わせて放射線治療を行うこともあります。例えば、早期の前立腺がんや喉頭がんは、放射線だけで治療を行いますが、乳がんでは、手術や薬物療法と組み合わせて治療します。 

なお、放射線治療は薬物療法とは異なり、同一部位に一定の期間をあけて繰り返し治療することは通常ありません。

④がん免疫療法

免疫療法は、局所療法では対応できないようながんに対する全身療法の一つです。免疫のはたらきを利用した治療法であり、免疫ががん細胞を攻撃するはたらきをパワーアップさせる方法と、がん細胞が免疫のはたらきを抑えている原因を取り除く方法が効果的と考えられています。詳しい仕組みは非常に難解ですので割愛させて頂きますが、口腔がんを初めとする口腔領域のがんも免疫療法の対象となります。

⑤緩和ケア

《緩和ケアとは?》

⚫終末期だけではなく、早期からがんに対する治療と並行して行われる。
⚫身体的苦痛だけでなく、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛 の緩和を目的とする。
⚫患者のQOL(Quality of Life: 生活の質) の維持向上を目的とし、その人らしく最期まで生活することを支える。
⚫患者の抱える困難にチームアプローチで対処する。
⚫家族💑🏻もケアの対象とし、死別後の遺族の悲嘆にも配慮する。

《緩和ケアの定義(WHO2022)》

緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(Quality of Life:生活の質) を改善するアプローチである。

⚫痛みやその他の苦痛な症状を和らげる。
⚫生命を尊重し、死を自然の過程と認める。
⚫死を早めたり、引き延ばすことを意図しない。
⚫患者ケアにおける心理的側面とスピリチュアルな側面を統合する。
⚫患者が最期まで人生をいきいきと、できるだけ活動的に生きることを支える。
⚫家族に対し、患者の闘病中や死別後の生活に適応できるように支える。.
⚫チームアプローチを用いて患者と家族のニーズに対処する.必要であれば死別後のカウンセリングを行う。
⚫QOLを高めて、病気の過程に良い影響を与える。
⚫化学療法や放射線療法などの他の延命を意図する治療と併存しながら、疾病の初期から適用可能である。さらに、必要ならそれらの治療に伴う

以上、いかがでしたでしょうか?

良性の腫瘍の場合はその組織(できもの)だけを切除するのが基本ですが、悪性の腫瘍の場合の治療法はかなり複雑です😲
今回は説明を省きましたが、がんの進行ステージによっても様々なアプローチで治療法が選択されます。基本、がんの治療はひとつの療法だけで完結することはなく、複数の治療法を駆使してがんの治療にあたるケースがほとんどです。命に直結する病気なだけに、本人のみならず、家族など本人以外の方のサポートも必要になります。今まではがん治療三大柱(手術・抗がん剤・放射線)がメインでしたが、最近では緩和ケアなど早期のがんから本人や家族をサポートする体制も整ってきています👍今回はがんの治療法を大まかに5つに分けて説明させて頂きました。具体的にどういったがん治療法があるのか、少しでもご理解頂ければ幸いです😄

長文になりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました🙇

では今回はこのへんで〜👋

また次回、元気にお会いしましょう。

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