CLINIC BLOG

口腔顔面領域の歯科医学~口腔粘膜疾患その③~


こんにちは。
北24条かやの歯科クリニックのどいです。

さっぽろ雪まつりも今日で終わりですね⛄
なんだかあっという間でしたね💦
街中もかなり賑わっていて、あぁお祭りなんだと実感させられました。
3会場でのフル開催、皆さまは行かれましたでしょうか?
大通り公園の大雪像のプロジェクションマッピングは圧巻でしたね😲

さて、今回も口腔粘膜疾患をご紹介させて頂きます💁
口腔粘膜疾患は種類が多いので、3回に分けてブログにさせて頂きます。
最終回の今回はウイルス性の口腔粘膜疾患をご紹介致します。

【ヘルペス性口内炎】

単純性ヘルペスウィルスによる初感染で、疱疹性歯肉口内炎(ほうしんせいしにくこうないえん)ともいわれます。一般には無症状の感染(不顕性感染 ふけんせいかんせん)ですが、数パーセントが顕性感染(けんせいかんせん)としてヘルペス性口内炎の形をとります。大半が小児🧒にみられますが、近年では核家族化に伴い大人にもみられます。

《症状》

全身的に発熱や倦怠感がみられます。口やのどが痛み、発熱が2〜5日続きます。一般にかなり高熱🤒がでます。この病気の特徴は発熱後2〜3日目から歯肉が腫れてくるため、最初はこの病気かどうかわからないので診断にとても気を遣うことです。口腔粘膜には多数の口内炎ができ全体に発赤し、特に歯肉の発赤、腫脹、びらんが特徴で口腔内は不潔となり、口臭が強くなります。自発痛や接触痛も強く、噛むこと、飲みこむこと、話すことすら困難になることがあり、顎下リンパ節も腫れます。痛みは5〜7日、症状全体は7日から14日続き、治癒します。

《治療》

入院した上で治療を行う必要がある場合があります。全身的な管理とともに、食事が困難な場合には、点滴やチューブで栄養を補給する必要があります。抗ウイルス薬💊による治療を行います。必要に応じて消炎鎮痛薬や二次感染の予防として抗菌薬の投与を行ないます。局所的には、うがい薬やトローチで口腔内を清潔に保ちます。

⚠️救急の場合⚠️

けいれんや、意識障害などの症状があるときは至急病院を受診してください。→単純ヘルペスウイルスによる急性脳炎が疑われます。

【帯状疱疹】

子供の時になった水痘(みずぼうそう)のヘルペスウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が、神経内の付け根に残っていて、体調が悪いとそれが活性化されて発症します。神経の支配する領域に一致して、発疹が多発します。三叉神経(さんさしんけい)領域の顔面皮膚に好発します。広い範囲に帯状に発赤と小水疱(すいほう:水ぶくれ)がでます。必ず体の右または左側だけブロック状に発生し、全身に拡がることはありません。強い痛みを伴い、重症化する場合もありますので注意が必要です‼

《症状》

口腔領域での帯状疱疹の症状は、三叉神経が走行している領域(三叉神経第2枝・第3枝)が罹患したときにのみ現れます。

帯状疱疹による口腔領域の症状には、次のようなものがあります。

  • 右か左、どちらか一方の口の中や歯のチクチク、キリキリとした痛みや感覚の変化
  • 複数の歯あるいは片顎全体に虫歯のような痛み
  • ピーク時にはチクチク、キリキリした激痛、眠れない痛みが生じることも多い

帯状疱疹は発疹が出てから3日以内に適切な治療を受ければ、1週間ほどで治癒します。

《治療》

重症の場合は入院が必要となり、全身的な管理とともに、食事が困難な場合には、点滴やチューブで栄養を補給する必要があります。抗ウイルス薬、消炎鎮痛薬のほか、二次感染の予防として抗菌薬の投与を行います。局所的にはうがい薬やトローチで口腔内を清潔にします。
帯状疱疹後には神経痛がのこることがあり、消炎鎮痛薬で奏効しない痛みに対しては、神経ブロック療法💉が必要になる場合もあります。

【手足口病】

手足口病は、エンテロウイルス71やコクサッキーウイルスA16の感染によって引き起こされる病気です。主な症状は、口の中、手のひら、足底や足背などにできる2〜5mmの水疱性発疹で、水疱に痛みがあります。発熱の症状が出ないことも多く、体に発疹の症状が現れてから手足口病と気づくことが多いです。

《症状》

手足口病の初期症状は、感染後3〜5日後に発疹が出始めます。38~39℃の発熱に伴い、口の中、手のひら、足底や足背などに2〜5mmの水疱性発疹が出て、水疱に痛みがあるのが特徴です。発熱の症状が出ないことも多く、体に発疹の症状が現れてから手足口病と気づくことが多いです。
2~3歳の子どもに多い病気で、幼稚園や保育園で感染することがあります。
大人が感染すると、子どもに比べて症状が重くなる傾向があります。特に発疹の痛みは大人のほうが強く、足の裏にたくさんの発疹が出ると歩けないくらい痛むこともあります😭
発症からだいたい3〜7日ほどで自然と症状がおさまってくるので、そのくらいを目安に考えておきましょう。

《治療》

手足口病はウイルス感染症のため、抗ウイルス薬はなく、特効薬や特別な治療方法はありません。発症後、数日で自然に治癒するため、対症療法が中心となります。
対症療法としては、熱を下げたり、発疹の痛みを抑えたりする解熱鎮痛剤による治療が中心となります。口の中の粘膜の痛みや口内炎に対しては、鎮痛薬や粘膜保護剤の軟膏などが処方されることもあります。
感染対策としては、接触感染を予防するために手洗いをしっかり行うこと、そして糞口感染を防ぐために排泄物を適切に処理し、その後手洗いをしっかりすることが重要です。

【ヘルパンギーナ】

ヘルパンギーナ(夏風邪)は、発熱と口の中の粘膜にできる水疱性の発疹を特徴とする急性のウイルス性咽頭炎です。乳幼児を中心に夏季に流行し、その多くはエンテロウイルスやコクサッキーウイルスの感染によるものです。

《症状》

ヘルパンギーナの症状は次のとおりです。

  • 急な発熱🤒
  • 口の中の天井の奥側の赤い水疱
  • 全身倦怠感
  • 食欲不振
  • 咽頭痛
  • 嘔吐🤮
  • 四肢痛

潜伏期間は3〜6日で、39℃以上の熱が1〜3日続きます。水疱は2〜3日でつぶれて黄色い潰瘍になります。
水疱が破れると、唾液や食べ物を飲み込めないほど強い痛みを感じるようになります。発熱は3日ほど続きます。
ヘルパンギーナは、たいていは自然に治る病気です。稀ではありますが、免疫の弱い人がかかってしまうと、心筋炎や髄膜炎といった重い合併症を引き起こす場合があります。症状が悪化したり、長引いてしまっている場合は無理をせずに医療機関を受診しましょう。

《治療》

手足口病と同じく、ウイルス性の感染症のため、通常の感冒と同様に抗菌薬は効果がありません。 通常は対症療法のみで、発熱や頭痛、口の中の水疱の疼痛などに対して解熱・鎮痛剤を用いることがあります。 脱水に対する治療が必要なこともあります。 水分摂取を心がけ、安静と栄養に気をつけることが大切です。

以上、いかがでしたでしょうか?

今回はウイルス性の口腔粘膜疾患を紹介させて頂きました。
ウイルス性の疾患ですので、全身症状が必ず見られます。
患部が口腔であっても他部位に病変が出る場合も多いです。
ですので、治療には他科への協力も必要になります。
特に手足口病やヘルパンギーナは小児🧒が罹りやすく、まずは小児科での治療が優先されます。
また基本対症療法ですので、重症化した場合は全身管理の観点から入院が必要なケースもあります🏥

口腔粘膜から病気を発見する機会もありますので、まず通常ではない口腔粘膜に異変を感じた場合はかかりつけの歯科医院や耳鼻咽喉科への受診をおすすめ致します。

口腔粘膜以外にも異変が見られる、明らかに重症化している(高熱・意識障害・脱水)などの場合は迷わず総合病院などの医療機関で受診をされて下さい。

では今回はこの辺で~👋

また来週元気にお会いしましょう🙇

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