CLINIC BLOG

歯についての一般知識~歯周病の疫学~


こんにちは🌞
北24条かやの歯科クリニックのどいです。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
中通りはまだグチャグチャですが、大きな通りは雪も解け走りやすくなりましたね😀
気温もプラスになる日も多くなり、いよいよ春かなぁと思ったりしてます🌸

さて今回は「歯周病の疫学」についてお話させて頂きます。

【まずは、疫学とはなんぞ🤔?】

疫学とは、「明確に規定された人間集団の中で出現する健康関連のいろいろな事象の頻度と分布およびそれらに影響を与える要因を明らかにして、健康関連の諸問題に対する有効な対策樹立に役立てるための科学」と定義される。疫学は健康に関連するさまざまな事象の頻度や分布を観察することを目的にするため、対象は一人の人間ではなく集団であるが、集団の特徴(集団の定義、年齢、学年、性別)やどの時点を調査対象とするかを明確に規定した上で事象の頻度や分布を調べる必要がある。また、事象に影響すると結論付けられた要因を除外、軽減する対策を講じ、除外後の効果を公衆衛生的に考えるのは疫学の社会的意義である。

うーむ…難しいですね😅💦

【歯周疾患の有病状況】

歯周ポケット保有者の割合は年齢が増すにつれて高い傾向を示し、45歳以上では過半数を占めます。また全年齢層の約4割の人に歯肉出血が認められます。近年、歯の保有状況が良好になってきたことから、歯周病に罹るリスクを有する歯が増えています。

歯周疾患を測る指標には様々なものがありますが、ここでは世界で広く用いられている地域歯周疾患指数(CPI: Community Periodontal Index)によって評価されたデータと、歯周疾患に関連する自覚症状の保有状況について解説します。

【日本人の歯周疾患の実態】

歯周病の有病率について年代別に見ると、30代から60代にかけての有病率が高く、30代以上では、3人に2人の歯周組織に所見が見られます。年代が上がるに従って、症状が進行した人の割合が増加。対象となる歯を喪失していく70代ごろまで、その傾向は続きます。

しかし歯周病は、初期の段階では自覚症状があまりなく、自分でチェックするのも難しいため、自分が歯周病であると気づかない人も多くいます。知らず知らずのうちに罹患して、進行していくところが、歯周病のこわい😱ところなのです。

CPIの改定法では歯周疾患の有病状況を歯周ポケットと歯肉出血の2つの面から評価し、わが国の全国調査である歯科疾患実態調査でも用いられています。その有病状態は【図1】に示すとおりで、歯周ポケット(4mm以上)の保有者の割合は高齢者層で高値を示し、45歳以上で過半数を占めています。一方、歯肉出血がある人の割合はどの年齢階級も4割前後と概ね一定した値を示しています。

歯科疾患実態調査では歯周関連の自覚症状として「歯ぐきが痛い、はれている、出血がある」を有する人の割合が調査されています【図2】。65歳未満の成人では概ね15%前後、65歳以上の高齢者では10%強の人が歯周関連の自覚症状を有しています。歯周病はよく「無自覚のまま進行する」といわれますが、歯周病に関連する自覚症状を感じている人は、決して少なくないことがわかります。

なお「国民の8割が歯周病」といった謳い文句を耳にすることが多々ありますが、これは以前の歯科疾患実態調査(2005・2011年)に用いられていたCPIの改定前の方式で何らかの所見が認められた人が約8割だったことに由来しています。ここで言う所見とは、歯肉出血・歯石・歯周ポケットのいずれかが認められた場合を指しますので、少しでも歯石がついている場合も「所見あり」と評価されます。したがって「8割が歯周病」というのは、ウソではないものの、多少大げさな捉え方といえます🧐

【歯周病は増えているのか?】

歯科疾患実態調査における歯周ポケット(4mm以上)保有者の割合は2005年から2011年にかけてやや減少しましたが、2016年は増加傾向が顕著です【図3】。そのため健康日本21(第二次)の中間評価では、歯周病の有病状況が悪化していると評価されています。しかしながら、2016年の調査で用いた調査方法は、診査方法が以前と同様であるものの、記録方法が異なることから、これが結果に影響した可能性も指摘されています。

以上のように歯周病の増減傾向には不確かな面があると言わざるを得ない状況にあります。しかしながら見方を変えて、近年は8020運動の促進などで「歯の喪失防止」が進んで歯の寿命が延び、歯の数が増えてきたという事実を踏まえますと、今までよりも歯周病に罹る歯の数も増えていることになります。このように割合だけでなく量的な面も加味しますと、歯周病が増加傾向にあるのは間違いないと考えられます。

【世界と比べると?】

WHOではCPIに関する情報を各国から収集し、各調査における個人最大コードの割合の平均値が地区別に集約されています【図4】。この図における歯周ポケットを有する割合は4〜6割程度であり、日本の状況は、世界の一般的な状況に比べると、比較的良好といえます。

【歯周病は歯の喪失原因第1位】

むし歯😈は歯がむしばまれる病気ですが、歯周病は、歯を支えている歯肉/歯ぐき・歯槽骨(歯を支える骨)などの歯周組織が傷害される病気です。歯と歯ぐきの境目にみがき残した歯垢(プラーク)が主な原因となり、歯周組織に炎症が起こる細菌感染症です。進行すると、やがて歯が抜けてしまうこともあります。

日本人が歯を失う原因としては、歯周病とむし歯が二大原因となっていますが、40代後半からはむし歯より歯周病のほうが割合が高くなってきます。全体としては歯周病が最も割合が高く、約4割を占めています👀

以上、いかがでしたでしょうか?

歯周病は歯を失う原因の大半を占めます。
今回は歯周病の疫学とのことで、現在歯周病がどの程度まん延しているのかがお分かりになったと思います。
歯周病は知らないうちにどんどん病状が進行していくことから「サイレントキラー」😈とも呼ばれています。
国民の8割が歯周病というのは若干誇張した表現かもしれませんが、大人のお口のトラブルではかなりの有病率です。

日々の検診でプラーク・歯石を事前に取り除き、またプラークを残さないブラッシング方法を見に付けて、歯周病予防に役立てましょう🙆

では、今回はこのへんで~👋

また来週元気にお会いしましょう🙇

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